オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「G.I.ジョー」(2009)

Gijoe

毎年のこととはいえ、どーですか、連日の蒸し暑さ! くわえて、こちとら約10年ぶりとなる引越しをあと数日後にひかえていて、使わなくなった家電のリサイクル、もう読まない本&マンガや、観ないVHSテープの選別、そして処分。そして引越しをスムーズに進めるための、地道な梱包作業。もう、心身の不快指数がレッドゾーンなワケです。とにかくスカッとしたい。デカいスクリーンで映画でも観て、気晴らしするかぁ、と何気にチョイスしたこの映画。これが当たりでした。

今年の上半期、たまたま人生について考えさせられるような、シリアスな題材の映画を観すぎたせいなのか、ここまで「見せ物」に徹した娯楽映画がじつに新鮮に感じられました。料理でたとえるなら、明らかに化学調味料使いすぎのCG映像よりも、なんの驚きもなくって、トントン拍子に進むストーリー展開が、疲弊しきった僕の脳にはありがたかったですね。ノンキなもんですよ。悪のテロ組織を、秘密の特殊部隊が成敗する。それだけ。反戦メッセージなんかありゃしない。クライマックスは圧巻。つねにどこかで大爆発がおきているという。観客を絶対に退屈させないぞ、という気概のあらわれなのか。こんな映画で、将軍役を渋く演じているデニス・クエイドが浮いてること浮いてること。

鑑賞後になにかを語りたいがために映画館に足を運ぶのではなく、あくまでも「暇つぶし」「気晴らし」のために映画を観るひと。「作品」ではなく「商品」として開き直っている映画を許せるひと。そんなかたに、きわめて消極的にオススメです。

090809