「ソーシャル・ネットワーク」(2010)
Facebook、いちおう登録はしているものの、長い間放ったらかしにしている。操作がよく分からないし、覚えるつもりもない。SNSなら5年ぐらい前からmixiを始めているし、なんだって無理をしてまで会ったこともない人と繋がらなけりゃならないのよ。mixiにしても、ハマったという記憶はないなぁ。それでも惰性で続けているうちに、ちょっとだけ人間関係の輪は広がったけれど、不愉快な思いもさせられている。
世界最大のSNS、Facebookの創設者、マーク・ザッカーバーグ。この映画の主人公の第一印象は最悪。自分のデリカシーの無さが原因で振られた女性を、わざわざブログで罵倒して公にするという、最低な行為をやらかす。しかし、その衝動がきっかけになってFacebookは誕生するのだから、分からないモンです。ハーバード大学生の、排他的なクラブ活動も馴染みがないし、鼻持ちならないし、この、今年度のオスカー有力作品の面白さに乗れるのは、ザッカーバーグと、Napsterを立ち上げたショーン・パーカーが出会うあたりからだったかな。
専門用語が早口でポンポン飛び交うので、最初はとまどうけれど、物語の骨子はありがちな青春もの。友情、裏切り、孤独。いくらプログラミングの才能があるとはいえ、登場人物はみんな20代の若造ですから。監督・デヴィッド・フィンチャーの「らしさ」はあまり感じられなかったけれど、ラスト・シーンの虚しさ、哀しさはハンパない。IT産業なんて虚業だよ、という僕の気持ちは変わりませんでした。