「P.S. アイラヴユー」(2007)
最愛の夫を失い、悲嘆にくれる主人公のもとへ、亡き夫からの手紙が届く。死者からの手紙! なぜ? どうして!? …と、観客の恐怖感をあおる映画ではないことは、重々承知だったんですが。なんとなく時間が空いたので、ふらりと立ち寄ったシネコンで観たこの映画。考えさせられました。最愛の妻が前向きに、新たなステップを踏みだせるためのアドバイスやヒントが綴られた手紙。だけど、文末は必ず「P.S. I Love You」で締めくくられているんですね。あのさぁ、どっちなんだよ、と。背中を押してるのか、過去にすがって生きろと言ってるのか。長州力が読んだら、激憤してコラコラ問答をやりかねない物語。単に僕が、男女の機微を察することができないだけなのかもしれませんが。正直、取り残されてしまいました。
視点を変えてみると、この映画、助演の役者がなにげに豪華でして。ジーナ・ガーション。お久しぶりです。それよりも、個人的にツボだったのが、ハリー・コニックJr. ですよ。2日ぐらい徹夜をした板尾創路みたいな、生気のない顔。途中からは、彼がどう立ち回るのか、本筋とはズレたところばかり観てました。あと、エンド・クレジットでサプライズが。本編は終わってしまっても、映画という作品の一部でしょ。大事な締めくくりでしょ。配給会社による、日本の観客に向けたサービス精神なの? いかがなモンかなぁ。