Top of the World
え〜、以下の文章、僕の記憶ちがいでしたらゴメンナサイ。すこしまえに、ぼんやりテレビで「キンスマ」を見てたんですよ。ゲストが佐々木健介夫妻だったんですが、番組のおわりのほうで、健介が中居正広に「スランプのときに、SMAPの『世界に一つだけの花』を聴いて乗り切りました」みたいな発言をしたんですよ、たしか。そのときは「ふ〜ん」と聞きながしてましたが、考えてみれば、あの歌の詞って「僕たちはそれぞれ個性があるんだから、オンリーワンでいい。No.1にならなくっていいんだよ」って内容でしょ。プロレスラーがそんな歌を聴いて、はたしてモチベーションがあがるのかどうか、はなはだ疑問ですね。
ここで、おもむろにアントニオ猪木の自伝をひもといてみる。横浜の鶴見で生をうけた猪木だったが、14歳のとき、祖父の鶴の一声で、一家でブラジルにわたり、コーヒー農場で働くことになります(ちなみに小学生時代の猪木のあだ名は「黄金バット」)。
あす、出発というその夜、日本に残る家族達とささやかなお別れパーティーをやった。
「わし達はブラジルへ行って百姓になる。やる以上、ブラジル一番の百姓になるんだ。寿一も快守も寛至もそのつもりで、がんばるんだ」と祖父の得意な「何でも一番」の話が飛び出したが、母や姉が泣き、妙にしんみりしていた。
「何でも一番」というのは祖父の口ぐせで、わたし達は子供のころから祖父に「たとえ乞食でもいい、乞食になるんだったら日本一、世界一の乞食になれ」とよく説教されたものだ。
世界一の乞食! どーですか! なにをすればいいのか…。物乞いを続けて、その貯めた金で一戸建て住宅を買うとか。そんな小さいスケールじゃないだろ、世界一の乞食は。当時は猪木もその言葉にポカンとしていたようだけど、近年になって自分のことを「人生のホームレス」と呼んでいるあたり、なにかピンとくるものがあったのかもしれません。「血は水よりも濃し」っていいますし…。
とまぁ、なんの役にも立たないことをダラダラ書きましたが、いよいよ明日から、僕のイラスト展がはじまります。よろしくぅ。