「42~世界を変えた男~」(2013)
(嫌がらせを)やられても、やり返さない。やり返さない勇気を抱いた、黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン。偉大にもほどがあります。なんたって背番号が全球団の永久欠番ですよ!
そんなジャッキーを描いた映画は予想に違わずの感動物語。ただ人種差別に打ち勝ったヒーローを讃えるだけならいささかキレイ事に感じるけれども、もうひとりの主人公ともいえる、ブルックリン・ドジャースGMのブランチ・リッキーは、ジャッキーをチームに加えることで、黒人の観客が増えると周囲に説きます。これはビジネスであるという側面もしっかり押し出すことで、ほどよく本作の印象を引き締めています。そんなリッキーをハリソン・フォードがめずらしく特殊メイクまで施して演じているんですけど、パンフのインタビューによれば、野球についてはまったく興味ないそうな。
僕自身も野球中継なんかまったく見ないんですけど、アメリカの野球映画はちょくちょく観るんです。そこにはアメリカの良心がしっかり息づいているような気がするんですよね。野球映画とコメディ映画だけ観ると素敵な国なんですよ、アメリカって。