「アウトロー」(2012)
やっぱり今年の冬も寒さはきびしく、ニュースでも身の回りでも景気のいい話はあまり聞かれず、地震がまた増えてきて不気味だよなぁ、なんて思っていたら、ロシアにまさかの隕石落下! そんな時代の大衆のこころに潤いを与えてくれるのはやはりエンターテインメントですよね。
トム・クルーズ。尊敬してます。ハリウッドにスター俳優は数多くいるけれど、「スーパースター」と呼べるひとって誰よ、と考えてまっさきに思い浮かぶのは、やっぱりこの人だよなぁ。SFだろうが、アクションだろうが、失敗作だろうが、クルーズが主演するならそれはもう「トム・クルーズ映画」というジャンルとして讃えるべきではないだろうか(それはかつてのA・シュワルツェネッガーにも当てはまると思う)。映画の冒頭、ピッツバーグで無差別射殺事件が発生! 犯人は逮捕されるけども、事件の真相と真犯人をたやすくスルスルと解き明かしてしまうのがクルーズ演じるジャック・リーチャー。格闘も銃撃戦もお手の物なのは、かつて陸軍の秘密捜査官という経歴の持ち主だからなのだが、住所もIDも持ってないって理由で「アウトロー」という無法者を連想させる邦題をつけるのって少しズレてないか?
敵役に「俺がヒーローだって?」なんて凄んだりして、スーパースター、トム・クルーズの新境地となるらしい今作。渋くきめて、観客にヘンな媚は売らないぞということなのか、お約束の全力疾走は披露してくださいませんでした。