パチンポ
巨星墜つ。さる4月24日、漫画家の土田世紀先生が永眠されました。まだ43歳。ご冥福をお祈りします。
「俺節」「編集王」…、多彩な志ある登場人物と骨太な人間賛歌。それだけではなく、時おりフラッと顔をだすエッジの効いたギャグ。僕にとって土田先生は「笑いのひと」でもありました。90年代、パチンコ漫画雑誌に掲載されていた先生の作品を読んでいたからでしょう。この「せっかちピンちゃん」はどちらかというと笑いの要素が強い作品集で(なんとマンボ好塚の漫画まで収録されている!)、先生の「遊び」が存分に味わえるんですが、なかでも4話完結の「パチンポ」にはしびれましたね!
パチンコ店のサンド職人! あまりにもひねりが利いたシュールで馬鹿馬鹿しい設定ですよ。それが、あの独特の書き込まれたタッチで繰り広げられ、ここにもやっぱり不器用な男たちのペーソスが流れていて。笑って、なごんで、そして最後に本人による「あとがき」を読んで、土田世紀という人の優しさに何度も胸を震わせられるのです。