「エクスペンダブルズ」(2010)
まるで冗談のような、アクション・スターの揃い踏み。アクション映画ファンの妄想が実現したといっても大げさでもなんでもない。シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの共闘なんて、あってはならない! それはホントに最後の切り札! それをやられたら「夢」が終わってしまうんよ。結局シュワルツェネッガーはカメオ出演だったのでホッとする。涙腺が決壊しなくてよかった。
しかし、映画が進むにつれ、ありがたみ感がだんだん薄れていくのは、俳優の出し惜しみをしてないからだけではない。本作の人物描写とストーリーの底の浅さはちょっと異様ですよ。「ランボー 最後の戦場」で戦争や暴力の悲しさ、虚しさを超残酷に、そして見事に演出した監督・スタローン、いったいどうした? 数発で見張り塔を粉砕するようなショットガンをアッケラカンと敵兵に向けて乱射してなかったか? 傭兵部隊「エクスペンタブルズ」のメンバーが、まるでゲームのキャラのように人間味が薄いのは、今回は顔見せ。次作に期待しろ、ということなのか。それならまだ「夢」の続きが見られる、と胸の収まりはつくけれども。
明らかに男受けを狙った暑苦しいロック・ナンバーが多用されているけど、アレだ、本作の最大のサプライズは、エンドロールでシン・リジィの「The Boys are Back in Town (邦題・ヤツらは町へ)」が流れ終わった、その後だな。