オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「13日の金曜日」(2009)

Friday_the_13th 宇宙船のなかで暴れまわったり、日本のインディー・プロレス界に約10年の遅れをとったものの、「エルム街の悪夢」シリーズのフレディ・クルーガーとデスマッチをやらかしたり。どうも色物のにおいが濃くなりつつあった、殺人鬼・ジェイソン・ボーヒーズ。シリーズの原点に立ち返り、恐怖の象徴であったジェイソンに新たな生命を吹き込む。この、あまりにも有名なスプラッター映画の古典をリメイクするからには、相当の覚悟を決めて取りかからなければならないのは、当然のこと。

結果、わざわざクリスタル・レイクくんだりまでやってきて、呑んで騒いでセックスする。そんな馬鹿まるだしの大学生どもを、ジェイソンが片っ端から殺してまわる、それだけ。ホントにそれだけの映画が誕生しました。文句なんかありませんよ、だって「13日の金曜日」って、そういう映画なんだもん。高尚にジェイソンの深層心理を分析するなんてのは、余計なこと、野暮ってもんです。

「こんなやりかたがあったのか!」と、思わず膝をたたいてしまう。そんなトリッキーな殺人プレイがあるかというと、そのへんもじつにベーシック。つくづく真面目につくられた映画です。物語の冒頭がちょっと趣向をこらした構成になってますが、そのへんは、オリジナルを知っているオールド・ファンへのサービスでしょうね。

090216