「ノーカントリー」(2007)
正直、コーエン兄弟が撮る映画とは縁がないなぁ、と思ってます。思い返しても、「ミラーズ・クロッシング」と「ファーゴ」が印象に残っているぐらいで。近作は観ていないし。それはつまり、コーエン兄弟の映画が観る者を選ぶほどユニークだということだけど。やたら評判がいい今作を観に行ったのも、100パーセント野次馬根性なわけです。
非情な殺し屋を演じたハビエル・バルデムが、アカデミーで最優秀助演男優賞を獲ったことを前もって知っていました。なるほど、たしかにこれはなかなかの凄味。でも、主演のトミー・リー・ジョーンズが演じた保安官も面白かった。出番はそれほど多くないんだけど、なによりなんの役にもたたないんだよなぁ! ベテランなんだけど、はたして有能なのか無能なのか。表情も乏しいし、始終ぶつぶつグチっているばかり。
で、あのラスト。たしかに不思議だけど、ひょっとしたら、終始緊張感が張りつめたこの映画で唯一、ぬくもりみたいなモンを感じたシーンかも。意味はよくわからないけどね。だっふんだ!