オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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RENAISSANCE - RENAISSANCE

Renaissance_cover

相次ぐメンバーの脱退で、ほぼ解散状態にあったヤードバーズにおいて、ギタリストであったジミー・ペイジが新メンバーを募り、レッド・ツェッペリンを結成したのは有名ですが、じゃぁ、リーダーでヴォーカリストであったキース・レルフはなにをしていたのか。彼もまた新たなコンセプトのもと、ニュー・バンドを立ち上げたのでした。そのバンド名はルネッサンス

フォーク、クラッシック、そしてジャズの融合を目指して1969年にリリースされた、バンド名と同タイトルの1stアルバム。基本的にはブルース・ロックバンドだったヤードバーズとは違う、キース・レルフの新境地のあらわれです。

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とはいえ、まだアイデアを十分に消化しきれていないようで、クラシック・ピアノを前面に押し出しているあたり、かなりプログレの要素が耳に残ります。が。キースの妹であるジェーン・レルフがヴォーカルを務める「アイランド」「さすらい人」のなんと清々しく、美しいことよ。ラストを飾る、なにやら呪術的なコーラスにキースのブルース・ハープが冴える「銃弾」。アルバムのなかでは浮いてるんですけど、いち楽曲としてはグレイト。隠れた名盤、とまでは言わないけれど、一聴の価値はあるのでは。

Keith_relf_face
その後、なんだかんだあって、キース・レルフはルネッサンスからもフェード・アウト。そして1976年、ギターの演奏中に感電死。合掌。ぶっちゃけ、歌唱力は低かったけれど、ルックスはいいし、音楽にたいする嗅覚も鋭かったはず。裏方の仕事に専念していれば、いまごろは敏腕の音楽プロデューサーとして名前を残していたのかも。もっとたくさんいるんだろうなぁ、世に知られざる才人て。なんというか、人生って、ちょっと不公平。

071016