「トランスフォーマー」(2007)
毎年、夏といえば、ハリウッド製の超大作映画が続々と公開されるシーズンなわけですが、そのなかでも特に! CG技術はここまで進化した! 全米大ヒット! という鳴り物入りで公開されたこの映画。面白いのか、そうでないのかは、すべて貴方まかせの2時間25分。
マイケル・ベイ監督の映画に、濃い人間ドラマを求めている観客はほとんど皆無といってもいいと思うんだけど、それでも。物語後半、前半では分からなかった、悪役トランスフォーマーたちの悪事の理由を知ってからのドタバタ劇についていけるのか、どうなのか。緊急事態の収集にアタフタする人間のキャラは悲しいかな、お世辞にも深いとはいえず、ひたすらコンピュータが作成した、現実に存在しない機械生命体の取っ組み合いに付き合わされる。試金石っていうのかなぁ、こういうの。この際、告白してしまうけど、アップを多用しすぎて(臨場感をだすためだろうけど)、ロボットの見分け、ほとんどつきませんよ。
話を戻すと、「CG技術の進化」ってなんなんだろうかって。たしかにトラックが、ジェット戦闘機が瞬時にロボットに変形する。でも人間ってのは薄情なもんで、そんなのアッという間に飽きてしまうんですよね。CGで創造したキャラクターに、きちんと「演技」をさせて、観客のハートをつかみ、オスカーにノミネートされる。これがホントの意味でのCGの「進化」なんじゃないですか?