Pay the Price
先日、インターネット接続を、光ファイバーに変えました。べつに、それまでのADSL接続にもそれほど不自由さは感じていなかったんですが、サービスセンターからかかってきた電話に、思わずのせられてしまったというか…。今なら工事費と3ヶ月間の料金が無料だって言うし! しかしッ、「無料期間が過ぎても、絶対に今までより安くなるんですよね!? 間違いないですよね!?」と、かなりしつこく確認はしました。胸を張って言えます。貧乏性です。
三國連太郎、瀬戸内寂聴、森繁久彌、石原慎太郎などなど、錚々たる大物レスラーとの豪華シングルマッチを収録した、「勝新太郎対談集・泥水のみのみ浮き沈み」。あの(?)「大島渚をぶん殴ってやる」発言は、この本に収められている、なんてことは置いといて、ビートたけしとの対談中、勝は、己のサービス精神について、こんなことを言ってるんです。
クラブでもどこでも、遊び場所に行ったら、自分がホストでこのクラブのオーナーだと思っちゃうんだ。自分の席に女のコたちが大勢座ってくれたら、「ありがとうございます。いらっしゃい」。こんな綺麗なお嬢さんたちが自分の席をヒイキに来てくれてると思うと、うれしくなっちゃって(中略)。
ホストだから、客じゃないから、いくらでもこっちからサービスできる。客だと思うから女のコに触るのが難しいんだよ。照れたり、恥ずかしがったりするんだよ。
金を払うと思うから遊べないんだよ。金をもらうんだと思うから遊べるんだよ。周りも楽しくなるんだよ。百万使って、十万分楽しませてくれたら御の字さ。ところが十万円で百万使ったような面(つら)をする客が増えちゃったから、遊び場じゃなく戦場になっちゃったんだよ。
さすが勝新!と、うなってしまうこのセリフ。いまや世界のキタノも、この偉大なる最後の役者馬鹿の前では恐縮しっぱなし! でも、この勝の金言、単に大物俳優の豪快なエピソードの一言で済ませてしまっていいものか。哲学とまでは言いませんが。金銭のスケールとか、そういうことを抜きにしても、なぁんか、人生を豊かに生きるためのヒントが隠されているような気がするんです。残念なことに「気がする」までが、現在の僕の精一杯なわけですが。