「シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ」(2006)
ここ数年、ホラー映画をほとんど観なくなりました。いや、「怖い」ものは嫌いじゃないんだけど、人体を欠損するような「グロい」シーンが、最近の映画は良く出来すぎてるんですよ。アレをだんだん脳が受け付けなくなってまいりまして。しかし国民性っていうんですか。数年前、ニューヨークへ旅行した時に、ホラー映画の予告編を立て続けに流す上映会に参加する機会があったんですけど。向こうの若いヒトたちって、人間がグシャッって潰れるシーンで大歓声をあげるんですよね。スクリーンの映像より、僕は観客に感心してしまいました。真似はできないけど。
世界最大のプロレス団体・WWE所属レスラーである「赤い処刑マシーン」ことケインが主演したこの映画。そもそも毎週リングで暴れ回るケインが怪奇派のヒール(悪役)なので、団体のCEOであるリンダ・マクマホンにツームストンをお見舞いしたり、義兄であるアンダーテイカーを生き埋めにしたりetc.と、僕はこの男の悪行は見慣れてるんですよ。だから正直、こっちとしては「頑張ってるなぁ!」が最初に湧いてきた感情ですよ、容姿もテレビ中継のまんまだし。驚きはないですね。あの巨体ですから、獲物をネチネチいたぶるのではなく、豪快に振り回したりと、むしろ通快なんじゃないかって! ちなみに、プライベートでのケインの趣味は「クロスワード・パズルを解くこと」だそうです。