「16ブロック」(2006)
不惑をむかえ、ブルース・ウィリスお得意の「普段はさえない男が、なりゆきで悪と対峙することになるヒーロー」役はいよいよ堂にはいってきた。かつてA・シュワルツェネッガーが「エンド・オブ・デイズ」で人生に疲れた刑事を演じたことがあったけれど、やはりというか、様になっていなかった。あの体格だもん。オロオロしながらピンチを切り抜ける主人公がウィリスだから、観客は彼に共感できるのである。
斬新な、誰も見たことがない世界なんてのにはもう、ほとんど興味がない。身のまわりにありそうな舞台のなかに様々なアイデア(それはどこかですでに見たものかもしれないけれど)を盛り込み、娯楽作品を作り上げる。例えるなら、冷蔵庫のなかの残り物をつかって料理を一品仕上げるみたいな。それがプロの仕事なんじゃないかな。
上映終了日ギリギリに観たわけですが、やっぱ映画は観客を楽しませてなんぼですよ。こないだ観た「父親たちの星条旗」より、僕はこっちのほうが好きだなぁ。