オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

生まれる時代を間違えたような気がするけど、それでも生きてるイラストレーター。お仕事は随時承っております。Contact me. : cannabis●ce.mbn.or.jp(スパム対策のため、●を@に変えてご使用下さい) http://shintaro-ooguro.com

サンフランシスコの闇

僕がたまに足を運ぶ某中古CD店の店長さんは、気さくなヒトです。「こんなの探してるんですけど」なんて質問には、もちろん快く応じてくれるし、トークが興にのってくると、レジ台をはなれて、2人でじっくり話し込んでしまうことも珍しくありません。たっぷり雑談を交えながら、陳列されているCD棚から1枚1枚アルバムを取りだしては、「これはオススメだよ」「これは聴いておかないとヤバいって!」などなど解説をしてくれます。そんな店長のアドバイスを聞いて、好奇心がひかれたアルバムを購入することが多いのですが、帰宅して再生してみると、「うわ、こんなバンドが…!」。

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そんな1枚がこれ、1967〜68年にサンフランシスコで活動していたFIFTY FOOT HOSEというバンドが唯一リリースしたアルバム「CAULDRON」です。60's ガレージ・サウンドのまわりを、チープな電子音が飛びまわり、深いリバーブが効いた女性コーラス、というか絶叫がからみついてきて、脱力というかダウナーというか、半端じゃありませんよ、これは。いい買い物しました。

Fifty_foot_hose_02 なぁにがやりたいんだ、コラァ!(by 長州)と、ライナーを読んでみると、電子音を担当したCork Marcheschiさんは、アート・スクールでダダイズムやフューチャリズムに多大な影響を受け、電子楽器を自作し、ロック・ミュージックに電子音を取り入れるという、明確なコンセプトのもと、バンドを結成したそうな。近年CD化されたことで、やっと評価されたというこのアルバム、けっこう常習性があるので要注意です、はい。

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