オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(2013)

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今月初め、中野で開かれた新年会に出席した際、この映画の話題になった。必見、その理由として、1970年代にビザールなユルユル映画を量産したスペインのジェス・フランコ(2013年没)の世界に通じるものがあるという。大いに興味をひかれ、DVDで鑑賞。

あのスカーレット・ヨハンソンがオールヌードを披露! たしかに! しかし、そんな下心なんぞどうでもよくなるような空っぽの世界がそこには広がっていたのだった。ヨハンソンが演じるのはエイリアンで、通りすがりの男どもを次々と引っ掛けては捕獲していくという、単純かつチープな物語がほとんど説明のないまま進む。エイリアンに表情はないが、映画自体にも表情が乏しい。やたら裸は登場するけれど、暗闇のなかのそれは観る者を刺激するでもなく、ただ服を脱いだ人間というだけ。そのバックに流れる木魚を使ったような音楽の間抜けな(失礼)響きに思わずにやけてしまう。

湿った感じの映像、メリハリのないゆるゆるストーリー、そしてボンヤリと裸。こう並べてみると、たしかに本作、ジェス・フランコテイストが息づいているように思える。ついでに本作の見どころであるヨハンソンの若干締りのない裸体にフランコ映画の常連女優、リナ・ロメイを連想してしまった。後始末を請け負うバイカーなんか『吸血処女イレーナ』の召使いみたいじゃないスか!

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