オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「イコライザー」(2014)

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知りあいの少女娼婦がロシアン・マフィアに暴行を受けたことを知り、ひとりの男が立ち上がる。と書くと「タクシードライバー」のようなストーリーだけど、若きロバート・デ・ニーロが演じたトラヴィス・ビックルのような無学のダメ人間とは違い、本作のデンゼル・ワシントン演じるロバート・マッコール、元CIAのエージェントなのであった。

いやー、血なまぐさい映画でした。主人公がとにかく問答無用に強い、そして殺し方がエグい。初めてスティーブン・セガールの映画を観た時のような軽いショックに襲われました。クライマックス、ホームセンターでの対決で店内の照明が落ちてからは、もうまるでホラー映画。デンゼルの容赦無い殺人ショーが始まると、恐怖と笑いの2つの感情が湧き上がるという、久しぶりの体験。
この主人公、不眠症に加え、神経症のような奇妙な癖やこだわりの持ち主なんだけど、ティーバッグ持参でなじみのダイナーに通い、お湯だけもらって本を読んで毎晩長居するという、なんだか謎な設定もあり。
とにかく文字どおり、単身でロシアン・マフィアを徹底的に壊滅する様には呆然とするしかありませんが、そんな冷酷殺人マシーンが昼間は職場の同僚の前でグラディス・ナイト&ピップスの真似をしておどけて踊ったりしてるもんだから、観終わったあとも、しばらく経って思い返してからも楽しめる一本なのでした。

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