TURN IT OVER - THE TONY WILLIAMS LIFETIME
1963年に17歳の若さでマイルス・デイヴィスのクインテットに参加した天才ジャズ・ドラマー、トニー・ウィリアムス。彼が69年、当時のシーンに革命を起こしていたロック・ミュージックに大きく接近した音楽を創造するために自身のバンド、トニー・ウィリアムス・ライフタイムを結成し、70年に発表したセカンド・アルバム。…これがちょっと、いやおおいにタダモノではないのです!
本作、元クリームのジャック・ブルースがベースを担当してまして、そのためブリティッシュ・ロックのにおいがとても強くなっています。そのためラリー・ヤングのオルガン・プレイにキース・エマーソンを連想する人も少なくないハズ。アルバム全編を通し、火がついたように暴れまわるウィリアムスのバスドラドカドカ、シンバル鳴りっぱなしのドラム&ジョン・マクラフリンのディストーションギターは前作『EMERGENCY!』同様のやかましさ。これはもう、プログレッシブ・ロックですね。緊張と混沌、キング・クリムゾンの『RED』の世界ですよ。
暗黒に染まったジャケットを裏返すと「PLAY IT LOUD. PLAY IT VERY VERY LOUD.」のメッセージが…。名盤です。