「ドラゴン・タトゥーの女」(2011)
デヴィッド・フィンチャーの撮る映画には、なぁんか温もりが感じられない、とぼんやりした感想を持っていたけれど、今作は舞台が極寒のスウェーデンということで、その印象が一層際立つ。原作も、スウェーデン版も知らずに鑑賞したのだけれど、「犬神家の一族」が頭に浮かびました。こんな話だったのか。しかし、それだけでは終わりませんでしたね。だから3部作なのか、と、これから後はごくごく個人的な感想。
とにかくMacBookが大活躍する映画。ソニー・ピクチャーズなのに! もはや現代劇を描くうえで携帯電話とインターネットは欠かせないな、とは常々思っていたけれど、今作では特に気になりました。証拠物件やら資料やらを整理するためにプリントアウトするする。古いスナップ写真をスキャンして、PCのiPhotoに読み込ませて、スライドショーにするする。かといって、PCがなければ解決できない事件でもなさそうだから、余計に気になるわけで。ダニエル・クレイグが演じるのはジャーナリストで、刑事ではないのだけれど、黒澤明の「野良犬」とかフランケンハイマーの「フレンチ・コネクション2」とか! たとえが非常に古くてなんですが、事件の真相にたどり着くためには、もっと足を使おうよ、もっと躍動させないと、なんてこっそり思ってしまった次第…。