オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「ザ・ライト -エクソシストの真実-」(2011)

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エクソシズム、悪魔祓いをテーマに映画を製作する時、観客もおなじだろうけど、どうしたってウィリアム・フリードキンの傑作「エクソシスト」を意識せずにはいられない。今作はホラーやオカルトの色を抑えめに、そのかわり、若い神学生が失いかけていた信仰心を取り戻す物語になっている。クリスチャンではない僕にはピンときませんが。

実話を基にしているらしいのだけれど、まず驚いたのが、21世紀の現在、バチカンエクソシスト養成講座があるということ。悪魔祓いにもキチンとしたマニュアルが存在するらしい。主人公がアンソニー・ホプキンス扮するクセのあるルーカス神父のもとを訪ね、実際に少女との悪魔祓いの儀式を目の当たりにしても、若い主人公は少女の精神疾患を疑う。個人的には、胡散くさい儀式より、こっちのほうが説得力ありますよ。世の中には多重人格者だっているんだから。でも、それじゃぁ映画は面白くならないわけで。

クライマックス、主人公が信仰心に目覚める、その理由がなんというか…。理屈としては間違いじゃないけれども。序盤はつとめてシリアスに進んでいたのに、やっぱり幻覚や怪現象がおきちゃったよ。そもそも「悪魔祓い」は文字のとおり、人間に取り憑いた悪魔を追い祓うだけで、根絶やしにするんじゃないですから。あまりスッキリした気分にならない観客もいたんじゃないでしょうか。

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