猪木へのラブレター
気がつけば、師走。今年も数多くのレスラーが現世から引退していきました。1冊の本を取りだす。ラッシャー木村・著「猪木へのラブレター もうプロレスから目が離せない」。どんどん世間からプロレスへの注目が減っているこの頃、サブタイトルが感慨深いですよ。
今年の5月24日に他界したラッシャー木村。ラッシャーといえば、皆さんご存知、1981年に田園コロシアムでおきた「『こんばんは』事件」。
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つれない猪木。アニマル浜口のとっさのフォロー。合宿先が秩父ってのがいかにもラッシャー。もともと口下手だったが、前日に映画「ロッキー」を観て(おそらく「ロッキー2」の間違い)、スタローンのように、猪木と闘って燃え尽きたい…。そんな決意を静かにファンに伝えようとしたら、「こんばんは」と挨拶してしまったらしい。ほかにも「国際プロレスのエースだったオレに、なぜ『帰れ』コールがおきるのか」と不思議がっているけど、「髪切りマッチ」で負けたあと、リングから逃走すりゃぁ観客も怒るって。
プロレスラーになっていなかったら?の問いに「駅員」と答えてしまうラッシャー木村。この本を一読しての感想は、ラッシャーのたたずまいにも通じる「地味」のひと言。おちゃらけて、アンドレ・ザ・ジャイアントのチンコのでかさを暴露してるけど「無理すんなよ」と言いたくなる。ラッシャーの生真面目な人柄が幅広く知れ渡るのは、新日を経て、第一次UWFから全日に移籍後。本をだすタイミング、ちょっと早かったような、そうでもないような。