「マチェーテ」(2010)
噂どおり、そして想像どおりのホントに馬鹿馬鹿しい映画でありました。が、メキシコ人の不法移民という問題が根底に流れていて、意外とマジメに作られているなぁ、という印象。残酷描写が陰惨で汚らしく感じないのは、ロバート・ロドリゲス監督が持つ、ユーモアのセンスと品の良さのせいかな。わざとヘタクソに撮影しているシーンも見受けられたけれども、やはりきちんとした娯楽映画を作れる職人監督の性か、バランスもヤマもない天然の馬鹿映画には及ばなかったようです。いや、もちろんオモロいに越したことはないんだけど。
ダニー・トレホの脇を固める豪華俳優陣。主人公・マチェーテに立ちはだかる最後の敵がスティーブン・セガールってのが嬉しい。にしても太ったなぁ、オイ! 女優たちがたいして必然性のない色気をやたら振りまいてくれるけれど、なんといっても見所はロバート・デ・ニーロですよ! なんでこんな映画のオファーを受けたのかは知らないけれど、悪役が揃いもそろってアホばかりのなか、クライマックスでホンットにアホな男になりきってくれたよ! 映画館で笑ったのって、何年ぶりだろう。笑うって気持ちイイよね。さすが名優。ありがとう、デ・ニーロさん!