「プレデターズ」(2010)
冒頭、傭兵やらスナイパー、死刑囚に加えなぜか日本のヤクザまでが、いきなり上空からパラシュートで見知らぬジャングルに放りこまれる。これは観客をスクリーンに引きつけるに充分な効果をあげているし、そのジャングルの正体が分かるシーン、あぁ、これは1作目の舞台設定の裏返しなのだと、このシリーズのファンへのニクいメッセージ、なんでしょう! 考えすぎか!
今回の主役は、絶対に死なないであろうA・シュワルツェネッガーとはタイプが異なるエイドリアン・ブロディなんだけど、ちょっと頼りない風貌ながら、頭の回転が早く、プレデター側の行動パターンを先回りして読んだり、心理戦にも長けているようで、なかなか心強い。あの凶暴な狩猟異星人軍団と、意外に互角に渡り合ってくれちゃうんじゃないの!? と気分を高揚させてくれるんですよ、前半までは。
もともと謎が多いプレデター一族の生態に、さらなる新情報(それも、ちょっと込み入ってる)がもたらされるあたりから、失速してしまうんだよなぁ。本格的な戦闘はこれからって時に。安易な続編にはしないという意気込みが裏目にでて、ストーリーをややこしくしてしまったか。プレデターのバトルも、プラズマ銃とか装備してるくせに、結局はモッサリした格闘だし。敵対している人間に対して変に義理堅いところがあったり。てか、そもそもあんな容姿で、どうして高度な文明が築けるのか。そのミステリアスなところが面白いという考え方もできますが。それでも、アクション・シーンはもちっとキレが欲しかったですね。