「運命のボタン」(2009)
封切り当時、正直言って心惹かれるものがなく、劇場鑑賞はスルーするつもりだったのだけれど、Twitterにて知り合いが大傑作だとつぶやいていたのを知り、ここは生来の野次馬根性で、公開終了ギリギリセーフで観た次第。
ん〜、こッれは不意打ちでしたね。原作がリチャード・マシスンと事前に知っていたら、多少は身構えたでしょうが、予備知識をいっさい頭に入れなかったことが功を奏しました。至極シンプルな設定から、よくもここまでねじれたストーリーを広げたもんだと。鑑賞中、頬がゆるみっぱなしでしたよ。1976年という時代設定も「いかにも!」だし、少しくすんだような映像もしっくりきてます。このリチャード・ケリーという監督の作品を観るのは初めてだけど、このヒト、意識してなのか無意識なのか、なんというか「寸止めの美学」を分かってらっしゃる。地味なキャスティングもいい味だしてるし、あまり大騒ぎせず、酒を飲みながらコッソリ語りたい映画ですね。