妖怪人間ベム
「はやく人間になりたい!」のフレーズでスッカリおなじみ。昭和43年放送とはいえ、くりかえし再放送されてきたし、ダウンタウンが「ごっつええ感じ」でネタにしていたので、決していまどきの皆さんに縁がないアニメーションではないと思います。
アニメ版よりも知名度が低いであろう、田中憲先生のペンによる、少年誌「ぼくら」に9回にわたって連載されたこの漫画版。じつは僕も最近になって読んだのですが、これが、なんというか、少しクセが強いアニメ版と異なる愛らしいタッチで、読むものを和ませてくれます。単行本の帯にもデッカく記されていますが、本作の大きな特色は、アニメ版では語られていなかった、3人の妖怪人間の誕生の秘密が明かされていることでしょう。
一読して、ウ〜ン、そうだったのか。時代とのズレを考慮してのオミットだったのか。それにしても「妖怪」の定義って…、おっとヤボな勘ぐりをしてしまうところだった。人間の友だちを作ろうと張りきる、寂しがり屋のベロ。そんなベロを気遣う、仲間思いで人情味あふれるベムとベラ。漫画って、こういうモンだよなぁ。