新・包丁無宿
以前、当ブログでたがわ靖之先生の異色料理マンガ「夜の料理人」をとりあげましたが、たがわ先生の代表作といえば、やはり「包丁無宿」でしょう。わけありの流れ板・暮 流助が、日本全国津々浦々でひたすら料理対決に挑み続ける、大長編マンガです(単行本全45巻)。よほど好評だったのか、続編も登場。それが今回紹介する「新・包丁無宿」(こちらは全5巻・ただし未完)なワケですが!
長きにわたって、ロックでたとえるならAC/DCみたいなワンパターンなストーリーを連載し続ければ、どうしたってネタは尽きていきますよ。ところが、そこからがたがわ靖之の真骨頂なんです! たとえば4巻に収められた「包丁妖術師」。
もちろん、これらの妖術はトリックであり、しまいには小学生が考えたようなネタばらしがあるのだけれども。「スゴいなぁ」とため息がでてしまうのは、こんな(失礼)バカバカしい話のなかに、照れや躊躇みたいなモンがまるで感じられないところですよ。だから余計に笑える。これは才能ですよ。簡単に真似ることなんてできっこありません。
たがわ先生は、謙虚に、後世に受け継がれる作品を残そうなんて考えたことはなかったかもしれません。でも、そういう作品ほど、すくなくとも僕の脳内ライブラリーにはしっかりと保管されてしまうんだよなぁ。グッハッハ!!(by 福田政二社長)