「スター・トレック」(2009)
無為な青春の日々を過ごす若き日のジェームズ・タイベリアス・カークが、USSエンタープライズ号の船長に就任するまでの、仲間との出会い、挑戦、奮闘ととらえた成長記。だと思うのだけれど、どうしても、もうひとりの主役、スポック中佐にばかり眼が移ってしまう。地球人とバルカン星人のハーフという出自をはじめ、なにかとドラマを盛りこみやすいキャラクターではあるのだけれど、そもそもこの映画のつくりがそうなっているんです。
今作を安易なハリウッド産のリメイクだとタカをくくると、中盤以降でおおいに驚かされます。これはリメイクでも、オリジナル・テレビシリーズの前日譚でもありません。オリジナル・シリーズ最新作であるという解釈も成り立つのです。その謎を解くキー・パーソンがスポックなわけで。今シリーズの劇場版はすべて観ているはずなんだけれど、あまりSFに造詣が深くない僕は、もうすっかり唸らされましたね。J・J・エイブラムス監督、侮りがたしです。
久しぶりに良質のSF娯楽大作を堪能したわけですが、エンド・ロールがながれるまでウィノナ・ライダーが出演していたことには、まったく気がつきませんでした。う〜ん…。