オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008)

Cloverfield

イデアそのものは珍しいものではないですよね。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」とか、古いけど「食人族」とか。元来、低予算でなんとか面白い作品を作るために用いられた手法と、最新CG技術をミックスさせたところがユニークだなぁ。乗り物酔いに注意するよう、断り書きが劇場に貼ってあったけれど、たしかに終始、ジェットコースターに乗せられてるようなモンで。ハッキリいってこの映画、DVDで観ても意味ないです。劇場の大スクリーンで体感しなきゃ。

近年のCG満載ハリウッド大作映画にはすっかり食指が動かなくなってしまったけれど(去年、まさか「トランスフォーマー」で寝てしまうとは…)、キチンとポイントをおさえてCGを使えば、なんだ、強烈な効果を産みだせるんですよ。ニューヨークの高層ビルが崩れ落ちて、強大な砂煙が津波のように押し寄せてくるシーンのなんと痛快なこと! いやいや、このシーンがあの事件を想起させるために演出されたであろうことは十分承知ですが!

息つくひまもない、怒濤の勢いで観る者の体力を奪うほどのエクストリームな映画だけど、エンド・クレジットで、あらためて製作陣の(とくに日本人に向けた)メッセージというか、気概を受け取って、思わず頬がゆるんでしまうお客さん、少なくないんじゃないかなぁ。僕はニヤリとさせられてしまいました。

080409