ケケカカ物語 とり小僧
ペンネーム・陽気幽平。前向きなんだか後ろ向きなんだか、どっちなんだぁ! そんな作者が、かつて貸本マンガにひっそりと残した代表作(たぶん)「ケケカカ物語 とり小僧」をおさめた単行本『陽気幽平 experience』が、グッピー書林plusから発売されました。ちなみに「ケケカカ」ってのは鶏の鳴き声ですね。……う〜ん、そぉ聴こえるかぁ。
ストーリーはいちおう怪談仕立てで、「親の因果が子に報い」という、古き良き日本の言い伝えがテーマなんですが。しかしデタラメだなぁ。鶏の子供はひよこなんだから、頭にトサカが付いてるのって…、なんてことに気がついたの、3回ぐらい読み返した後だもん。子供向けの作品だろうに、主人公のとり小僧以外、残りの登場人物がほぼ全員、中年か老人という若さのなさ! いぶし銀! ハッピーエンドかと思わせておいて、じつはまったく明るい未来が見えない結末とか、もう、僕個人としてはツボ押されっぱなしです。いまのマンガに欠けているサムシングを見つけたい方は、ぜひご一読を。中野ブロードウェイ「タコシェ」等で発売中です。