スーパーくいしん坊
さて、相変わらず美食の趣味なんかないクセに、グルメマンガばっかり読んでるわけですが、このジャンルのパイオニアといえば、原作・牛次郎&漫画・ビッグ錠コンビの「包丁人味平」。しかしッ、僕個人としては「味平」よりも同コンビのこっちの作品を推してみたい。「スーパーくいしん坊」です!
ストーリーは、料理と大食い以外には、なぁ〜んの取り柄もないメタボリック中学生・鍋島香介が、毎回プロの料理人に勝負を挑み、誰も考えつかないようなアイデアで勝利し続けるという、じつに読者に親切なシンプルなもの。桜島大根を鍋に仕立ててちゃんこ鍋をつくったり、作者は実際に試しているんだろうか? 的な奇抜な料理が毎回登場するんですが、僕が衝撃を受けたのは、単行本2巻におさめられた「特急ラーメン!! の巻」。
野球観戦の帰り、屋台のラーメン屋のオヤジに、注文してから客を待たすな、そして「ラーメン屋としては失格だよ!」とまでキッパリ言い切ってしまう香介。当然の流れでオヤジは激怒。おい、やれんのか!?(by 猪木)。ラーメンの味を落とさずに20分で50杯のラーメンをつくると豪語してしまった香介が、その翌日に選んだ手段とは…!
考え過ぎたからこうなったのか、それともなにも考えてないからこうなったのか。ともかく、まさにグルメマンガ界のバーリ・トゥード。こんなラーメンを目の当たりにして、あっさり敗北を認めるオヤジの懐の深いこと深いこと。あ〜あ、この時代のマンガはほんと、オモロい。その点いまどきのマンガは、なんというか、よくできすぎていて、頭がよくて、優等生で。読んでて疲れますですよ。