オーグロ慎太郎の「新・夜明けのない朝」

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「力道山」(2004)

Rikidozan 主演のソル・ギョングが顔を似せようとすればするほど、リキさんではなく、天龍源一郎になってしまう不思議。なぜルー・テーズがでてこない?等、多少の疑問や不満は残るものの、観客に痛みが伝わる迫真の格闘シーンや、なによりまず、この映画を製作&配給&公開したすべての人々に拍手をおくりたいです。

Otoko_no_seiza 民族間の問題は根が深いものなので、それをおざなりに描写できないのは当然なのだが、結果、戦後の日本を熱狂させた我らが英雄は、野心は旺盛だが、差別に堪え忍ぶ、繊細な、がたいのいい悩める文学青年のようになってしまった。「テレビがなければ、プロレスリングもありません」と断言するように、リキさんはつねに周囲からの視線を過剰に意識していた。それゆえの、真冬でも半袖のシャツですごしたり、食事も「食欲がなく、さっぱりモリソバですませたくとも、人目があればステーキをパクつく」等の、この映画でほとんど描かれなかった、豪快で悲しいまでのプロ根性やサービス精神がうかがえる数多くのエピソード、そこにもっと時間をさいてくれれば、心に抱える闇もさらに際立ったと思う。「一度の人生、善人ぶってどうする」というセリフだけでは、バランスが悪い。なにが言いたいのか。「男の星座」(作・梶原一騎、画・原田久仁信)を読みんしゃい。

日本のプロレスラーも数多く参戦。武藤敬司(ムトちゃんカッコイイ!)、船木誠勝秋山準 etc…、そしてなんといっても橋本真也

060311